ルイ・コスタからあれこれ

2009年11月21日

セルジオ・コンセイソン引退のニュースを見て、なんか感慨深かったのだけど、ルイについてのコラムがありました。

『人望でチームを構築する引退後のルイ・コスタ』
かねてより(笑)、この人の幕の引き方はすばらしいというか羨ましいと思っていた。もちろんここから見てるだけのことで、彼自身のコメントなどを追ったわけじゃない。

ポルトガル黄金期の主軸。
ビオラ、ミランとイタリアを舞台に活躍し、リッキーにそのすべてを託すようにして最後を母国のチームで過ごし、惜しまれつつ華やかに引退し、自分の心のチームのSDとなって、ファンタジスタを主軸にすえるサッカーを見せている、、、完璧だ。皮肉でもなんでもなく、こんな幸せな過ごし方はないだろうと思う。特に晩年と引退後。

それを『人望』とくくってしまうだけでいいのかどうか、そこはわからない。
穏やかな表情とは別の、先を読む、自分を見切ると同時に他者を見切る、そういう力のある人でもあるんだろう。俗に賢い、いいますかね。
彼にはなにかを賭けてみようと思わせるものがあるんだろうな。ベンフィカの会長も、監督も、そして移籍を決めたアルゼンチンの双子たちも。
ディ・マリアが移籍しないでまだベンフィカにいるのも、不思議でしょうがない。あれはいい選手だと思うんだけどな。この夏あたりは動くだろうか。資金をクラブに残して自分はキャリアを積むために。



セリエは、そうやって各国のいい選手が集まってくるリーグだったし、その選手たちを輝かせるイタリア人の監督や、おらがチームを愛するお馬鹿な会長とティフォージがいて、時にはげしく、時に笑いを腹に、相手を尊重し、かるちょを楽しんでるリーグだった。収支なんてことをそこに期待しちゃいけない。その破天荒な部分が残ってるのがセリエなんじゃないかなぁ。世の動きから遅れてる、のかもしれないけど。
隣のモラさんなんか、ほんっとお馬鹿会長の筆頭だったし、最近あのパルマのかいちょさんが、それに近い空気を持ってる気がする(笑)。モラさんとは規模が違うんだろうけど稼ぎのどんだけをあんたクラブに注ぐ気なの、みたいな。
ミランはあれだよね、D&Gの二人あたりがやってくれたりすると、おもろいよね。え。

古き良き時代とは、言いたくない。
だって、やっぱりそういう根っこが国全体にあるんだと思うから。
あのマルディーニ番組でわたしが「なるほどにゃー」と思ったのはその空気だった。子どもから大人まで、選手になれたほんの一握り以外の、たっくさんの人たちが「成功した一握り」を見るためだけじゃなくかるちょが存在してること。生活に根付いた教会にピッチがあって、誰もがボールを蹴れること。歩けるようになったばかりの子どもの足元にボールがあること。ぎゃいのぎゃいのと青少年にはっぱをかける近所のおっさんたち。そのいい歳したおっさんたちが小さめのコートで夢中になってボールを追いかけていること。それが彼らの日常。
そういう空気を吸って成長してきた子どもたちが競争を抜けて、ピッチに立つ人になっていくサイクル。
きっと、サッカーの強豪国とか古豪とかいう国にはああいう「日常」があるんだろう。
お金をかけても、背伸びをしても、まだまだ届かない、届くはずのないもの。

そこには、子の力を見切る大人の目があって、それは挫折とかじゃなく違う道を選ぶことで、おらが街から出た選手への強烈な思い入れや愛になっていくベースで。
そしてあちこちに「笑い」を伴うところがやっぱりセリエにはあると思う。セリエってエスプリの効いた高度な笑いの世界があると思うんだよなぁ。試合が終わった後のローカル番組で延々やられる愚痴りあいなんて他の国にはあるのかなぁ。金のバクとか(笑)。
斜陽と言われようと、有名選手がセリエをあとにしようと、この独特の愛し方、それがわたしをひきつける。サッカー自体の違いなんてわかっちゃいないのだ、うん。←威張るとこじゃない。


サッカー協会とか育成プロジェクトとか、もちろんいろいろそれぞれの国が取り組んで、変化もしてきているんだろうし、そういう枠組みは変わっていくべきだとも思う。
クラブが収支を気にしていく経営母体になっていかないと、成り立たなくなっていくグローバル経済の一端もわかる。
でも、ブラジルの試合とか見ちゃうと、そういうのを越えた、彼らの中に存在するその国の持つ空気、サッカー文化を感じてしまうわけだ。なんなんだろう、あれは。
人徳とは程遠い存在であろうロナウドのたぷたぷしたカラダが時々(笑)躍動するあのピッチ。歓喜・狂喜するスタンド。彼は終わっていく選手として最後の時間を過ごしているんじゃなくて、間違いなく英雄としてそこにいる。
すごいなーと思う。好き嫌いを越えて、ブラジルのそういう空気はやっぱりすごい。
きっとラーションなんかもそうだったんじゃないかな。

いろいろな国のいろいろな愛し方があるんだろうな。わたしが知らないだけの。



海外での挑戦を終えて、母国に戻ってくる選手をそんなふうに迎えていけるものが、ニッポンにあるだろうかとも思ってしまう。ゴジラも、だけど、サッカーでも。ま、それ以前に海外で遜色なく活躍したと言える、そういう選手が出てくることのほうが先か。

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